「手織り絨毯・ラグ」と「機械織り絨毯・ラグ」の違いは?
そのメリット・デメリットを解説します
絨毯やラグ、マットには、大きく分けて「手織り」と「機械織り」の2種類があります。
その違いは、その名の通り「人の手で織る」か「機械を使って織る」かの違いです。それぞれにメリットとデメリットがあり、一般的な販売価格も大きく異なります。
これから絨毯やラグを購入しようと思われる方にとって、どちらを選ぶのが正解なのか迷う方も多いかもしれません。
最終的には絨毯やラグに対する「価値観」や「用途」によるところが大きいと思いますので、今回はそんな「手織り絨毯」と「機械織り絨毯」の違いと、そのメリット・デメリットについて詳しく解説したいと思います。今後の購入の際のヒントになれば幸いです。
「手織り絨毯」とは
織り方の種類は「平織」や「パイル織」などがあります。
高品質の絨毯の多くは、中東の国の伝統的な職人によるものです。
「機械織り絨毯(タフテッドカーペット)」とは
主にナイロンやポリエステルなどの化学繊維を原料とした糸を、機械によって製作してく手法の絨毯です。機械だけでは弱いので、ほとんどは補助的に接着剤を使っています。
糸と機械さえあれば制作は可能ですので、地域を選ばず世界の様々な国で織られています。
絨毯の素材についての詳細はこちら
「手織り絨毯」と「機械織り絨毯」のメリット・デメリットは相反関係にあります。
つまり、「手織り絨毯」のメリットは「機械織り絨毯」のデメリットつながり、「手織り絨毯」のデメリットは「機械織り絨毯」のメリットにつながるのです。
「手織り絨毯」のメリットとは
丈夫で長持ち
熟練の腕を持つ職人が、数か月間という長期にわたって丁寧に織っていくので、とても丈夫な絨毯となります。織り方の品質が高ければ高いほど耐久性も高く、長い期間を通して使える絨毯となります。海外では土足で使う用途でも問題なく使っていることからもそれはわかるのではないでしょうか。
通気性が高い
接着剤を使用していないので、糸と糸の織の小さい隙間は空気を通します。それによって通気性が良く、冬はもちろんですが、日本の暑い夏でも快適に使用できます。季節を限定しないのはとてもありがたいですよね。冬もホットカーペットの上でも使うことができます。
高級感がある
なんといっても、手織り絨毯は高級感があります。特に細かい目でしっかりと織られた絨毯は、見るだけでなく触ってみても上質なテイストを醸し出しています。「ガゼニラハット」のように、ウールの質や絨毯の仕上げ方によっては肌触りがとても心地よい絨毯もあります。
見る方向で色合いが変わる
基本は織る方向が決まっていることで、織り目に順目と逆目があり、光の当たり具合で色の雰囲気が異なります。敷く方向によって2通りのテイストが楽しめるのもメリットです。
手織り絨毯のデメリットとは
価格が高い
まずは糸の原材料がウールやシルクなどになるので、ナイロンやポリエステルのような大量生産の化学繊維と比較すると、材料コスト自体が高いということになります。そして、それを熟練の職人が長期間かけて丁寧に織るわけですから、制作のためのコストも高くなります。更に、中東からの輸入コストも加わるので、最終的な販売価格はどうしても高くなります。
一品ごとにサイズが微妙に違う
人間の手による制作なので、どうしてもサイズに2~3cm程度の微妙なばらつきが出てしまいます。これについては、それを手織りの味わいとしてご了承いただけるか否かということです。
制作に時間がかかる
大量生産の機械織りであれば、在庫も豊富で納期も短いと思いますが、手織り絨毯は希望のデザインの在庫がない場合、それを依頼してから出来上がるまで数か月かかります。
機械織りのメリット・デメリットはその逆になります。
メリット
価格が安い
定量生産されている化学繊維を原材料として、機械で大量に生産するのでコストダウンが可能となり、一般的にはお求めやすい価格帯になっています。
サイズは均一
機械が織るのでサイズも大きく異なることはありません。
制作は短期間
原材料さえあれば制作に期間はかかりません。
デメリット
丈夫でなく耐久性が低い
実際に使用してみればわかると思いますが、それほど丈夫にはできていないので、消耗品として考えた方が良さそうです。
通気性が悪い
「機械織り絨毯」の場合、織りだけでは耐久性が著しく低くなるので、それを補完する目的でほとんどの製品が接着剤を使用しています。よって、通気性がない商品と思った方が良いでしょう。冬は良いとしても、夏や梅雨などの日本のジメジメした季節では使用しないという方も多いと聞きます。
高級感がない
これは感覚的なことでありますが、どうしても「手織り絨毯」と比較すると高級感の無さは否めません。
接着剤の劣化で粉が出る
接着剤を使っていることの弊害ですが、長期間使うとその接着剤の劣化によって粉が出ることもあるようです。そうなってきたら交換時期かもしれません。
「手紡ぎ糸」と「機械紡ぎ糸」の違い
織り方に加えて、天然のウールでも紡ぎ方で違いがでることも知っておいてください。
紡ぎとは、羊の毛をカットした後に、それを糸にしていく作業のことです。これを「人の手で行うか」、「機械で行うか」、の違いです。
作業効率を考えれば、当然機械で紡いだ方が良いのですが、どうしても機械紡ぎだと繊維が短いものになり、羊毛自体の持つ肌触りなどが損なわれます。
それに対して、手紡ぎの場合は繊維を短くせずに、長い糸を紡いでいくことができるので、ウール自体の持つ強みを生かせるというメリットがあります。
ただし、糸の太さは機械紡ぎの方が細くできるので、デザインや織りの細かさによっては、機械紡ぎを使わざるを得ないケースもあります。
デザインなどに満足できるなら「手紡ぎ糸」+「手織絨毯」という組み合わせが理想だと思います。
このように、ひとくくりで絨毯やラグと言っても、「手織り」と「機械織り」では素材の違いも含めて、製品として大きな違いが出るのです。もはやこの2種類は、全く別の商品だと考えた方が良いと思います。
このどちらの種類を選択するかは、購入される方の価値観によって決まると思います。
「手織り絨毯」を検討される方は、そのメリットをどこまで価値として評価して、デメリットをどこまで許容するか、ということです。「機械織り絨毯」を検討される方も同様です。
絨毯・ラグを「消耗品」として考えるか、「一生もの」として考えるか。
絨毯・ラグを「冬だけの利用」と考えるか、「一年間を通しての利用」と考えるか。
絨毯・ラグを「見た目だけ」を重要視するか、「触り心地」なども重要視するか。
どちらの考え方で絨毯やラグを位置づけるかで決まるのです。
また、絨毯以外のソファやテーブルなどのインテリアとのバランスも大事だと思います。低価格量販店のインテリアと、高級で高品質なインテリアとは、それらと絨毯との組み合わせも考え方も当然異なると思います。
手織り絨毯を扱い続けて30年近く経つ当社としては、価格さえ納得いただくなら、是非手織り絨毯・ラグを一生もののインテリアとしてお勧めしたいと思っています。
「ガゼニラハット」は、まさに「手紡ぎによる良質なウールの糸」を使って、「熟練の職人が長期間かけて織る」ことで、優れた品質と心地よい触り心地を持つ絨毯です。
ご興味を持たれる方はお気軽にお問い合わせください。